ALTA療法

ALTA療法(ジオン注)とは

ジオン注とは硫酸アルミニウムカリウム及びタンニン酸を主成分とする新しい痔核注射法で、平成16年7月に承認されました。特に「第3度」の内痔核(脱出後、手などで押し込まないと戻らない痔核)や従来は手術による治療が行われていた「第4度」の内痔核(排便と無関係に常時脱出)が適応となります。

ALTA療法(ジオン注)の投与と作用

従来の硬化療法とは異なり、1つの主痔核に対して4箇所に分割して注射する「四段階注射法」というより高度な手技が必要となる方法です。右図のように、痔核部の4ヶ所に薬液を投与します。これにより痔核内の血流が低下し、炎症が起きます。数週間後に炎症作用の修復反応による繊維化により、痔核が硬化退縮します。尚、この治療を施行できるのは、講習を受け認定された、限られた医師のみです。 ALTA療法(ジオン注)の投与と作用

ALTA療法(ジオン注)のメリット

肛門の痛みを感じない部分に注射をするため、痔核を切り取る手術より痛みが少なく、日帰り手術が 可能なため、患者様の経済的・身体的負担を軽減させ、社会生活への早期復帰が可能となります。

ALTA療法(ジオン注)の主な副作用・合併症

【全身的なもの】発熱(約3%), 徐脈(0.6%), 血圧低下(約2%)など
【局所的なもの】肛門周囲痛(約1.4%), 直腸狭窄(0.06%)、直腸潰瘍(0.68%)、肛門出血(0.57%) など
※副作用発現頻度については2005.3月〜2009.7月の田辺三菱製薬の使用成績調査に基づく。
※重篤な副作用の場合、入院加療を要する場合もあります。

ALTA療法(ジオン注)の再発率

残念ながらALTA療法後の再発率はゼロではありません。医療機関により若干の差はありますが、1年後の再発率は3-16%(新しい治療法なので、正確な長期成績については現在も調査中です)と言われております。また、再発に対しては、再度ALTA療法を行うか、その他の治療法を選択することになります。

ALTA療法後の通院について

ALTA療法後は前記のような副作用や合併症が起こらないかどうか、術翌日、1週間後、2週間後、4週間後に外来通院が必要となります。(術後の状態により外来通院頻度がかわる場合があります)
※当院では十分なインフォームドコンセントのもとに治療を行うことを第一としております。医師より説明を受けた治療法については、それぞれのメリット、デメリットを十分にご検討いただいた上で、ご本人の意思で選択していただく事をお勧め致します。尚、ご不明な点、ご質問については、分かりやすく回答させていただきますので、お気軽にご相談下さい。
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